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明け方、男はボロいアパートに帰りました。
「あいつに俺の武勇伝を聞かせてやらないとなあ!」
男の娘は一人暮らしをしていたのです。
男が受話器をとると、ダイヤルもしてないのに声がしてきました。
「おまえ、ねこをひきころした極悪人だニャ?」
男は、おかしいとは思わなかったのか、自然に声を荒げました。
「ああ!?寝ぼけんじゃねえぞ。ドライバーが猫を轢き殺すのは当たり前だろうが!」
しばらくしてから返事が来ました。
「ふざけるなニャ。お前は避けられたのに、わざと猫を轢き殺したニャ」
「ああ!?猫を見てよける運転主がどこにいるんだ!?車に乗っていて、猫を轢くことより楽しいことなんてカーセ○ク○ぐらいじゃねえか!」
今度はニャーニャーという雄叫びのようななき声が聞こえてきました。
「お前が悪意の塊なのはわかったニャ。死刑にしてやるニャ。」
男はこれもしゃくにさわったようですが、怒鳴り声をあげる前に家のドアがバタンと吹き飛び、巨大なぶち猫が二足歩行で部屋に入って来ました。
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