第一章 大貫敦也の場合

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大貫「いでで………んぁ?何だここ…」 大貫が居たのは真っ暗な部屋だった。 自分にだけスポットライトのように灯りが当たっている。 そして、彼は硬鉄製のイスに縛り付けられていた。   大貫「オイオイ……意味わかんねぇよ…」 怨み屋「お目覚めですか?」   目の前から声をかけられて、大貫は反射的に叫んだ。   大貫「誰だ!?」 怨み屋「……怨み屋です…」 大貫「怨み屋?……まさか…」 怨み屋「その通り、今日は奈津美ちゃんの命日です」   それを聞くと大貫は怒鳴り散らした。   大貫「ふざけんな!!俺はあの頃精神病にかかってたんだ!俺に責任はねぇよ!!それに飛び出して来たのはあのガキなんだよ!!」   怨み屋は睨み付ける大貫を無視し、こう告げた。   怨み屋「……これから幾つかの質問を致します。その質問への答えから貴方の無実を証明できた場合、直ちに解放し慰謝料として一兆円をお払い致します。」 大貫「一兆!?」 怨み屋「はい、ただし有罪となった場合は………拷問の限りを受けて貰います」 大貫「拷問………………………」 怨み屋「いかがでしょうか?今すぐここを出て、警察に自主しても宜しいですよ?」 大貫「自主なんて誰がするか!……いいぜ!どうせ俺は無実だ!一兆円、払えるんだろうな…?」 怨み屋「えぇ………もちろん。では、質問をさせて頂きます」
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