夜空の下で

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ゴミとして 捨てられていた大きな布。 息が白く、 あまりにも寒い夜だったから 幼い少女はそれで体を包んだ。 見上げれば星のない夜空。 レンガ通りの隅っこに しゃがみ込んで時計台をみた。 時間は午前2時を指している。 少女に家はなかった。 だからいつも 道路のすみで寝ていた。 レンガは体が痛くなるから 寝転ぶよりも 座ったまま寝た方が楽だった。
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