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「ところでお前、戦闘経験は?」
「無い!」
マサルの問いにシィルは自信満々な表情と手振りで答える。
「だと思った」
「とりあえず、家にあった血塗れの木刀を持ってきた」
と自慢しようとばかりにシィルは木刀を見せびらかす。
「誰んだ?」
「姉貴の」
マサルは納得したと同時にかなりの不安に駆られる。
「マサルは代々魔法使いの家だろ? 杖はどうした?」
「杖はオレには合わないからな、魔導書を持ってきた」
「えー」
「えーって……」
「やっぱ魔法使いってさ、こう杖を出して、しゅばばばーんってこう出した方が格好良いじゃん」
とシィルは魔法を出すポーズをとり、マサルに説明をする。
「本ってさ、地味」
「地味で悪かったな!」
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