ホコテン

惨劇

料理を食べさせた後、かくおは部屋の中を落ち着かない様子でウロウロとしだした。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　私はじっと刺激しないように固まっていた。　　　　　　　　　　　　　　　　かくおが引きこもりになったのには理由があった。　　　　　　　　　　　　　あれは確か中学生頃の話だったと思う。　　　　　　かくおは勉強もスポーツもできないが優しい子だった。　　　　　　　　　　　クラスのホームルームの日直をかくおが担当した時、事件が起きた。　　　　　　　　　　　　　　　　　クラスメートの前に立ち、ホームルームを進行している時、かくおはうんちをもらしてしまったのだ。　　　　　　　　　　　　　　昔から人前にたつと極度に緊張する子だったから、肛門が緩んだのだろう。　　　　　　　　　　　　　　うんちをもらした時、よほど我慢していたのだろう、かくおはずっと足をかくかくさせて震えていたらしい。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　その日から、かくおは｢カクカクウンチ｣と呼ばれていじめられるようになってしまったのだ。