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誰だって銃を向けられれば動揺する……
だが…その女は脅える様子もなく…俺を見つめたまま…その視線は何かを訴え続けているようだった。
〈くっ…〉
俺は引き金を引けなかった…
次の瞬間、俺は銃を胸にしまい、箱を右手に持ち変えた。
そして…
左手で女の手首を握った。
「走れ!」
俺は少しだけ大きい声で言った。
女は黙ったままだったが走りだした。
俺はこんな感覚は初めてだった…任務中に殺すつもりで殺せなかった事は今までない…
〈くそっ……何やってんだ、俺は…コイツ誰なんだよ〉
俺は女が裸足である事を少し気づかいながら走った。
それが全ての始まりであることにまだ誰も知るよしもなかった…
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