怖いおとうさん

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寝付いてからどれくらい経ったのか…。 たぶん、深夜…。 「ぅん…。(あ…真っ暗だ…。)」 私は目が覚めてしまった。 自分の視界が全て真っ暗だ…。 横を見ても誰もいない。 私は寝ぼけて、押し入れで寝ていることを忘れてしまっていた。 みんながいなぃ…。 暗いよぉ…。 怖い❗ とうとう私は泣き出してしまった。 ひっく…ひっく… うゎぁ…うわあ~ん‼💦 泣いていると、誰かがベッドに近付いてくる気配がした。 おかあさん? おかあさん! うわあ‼…うわあ~ん‼💦 もうここはいやだよぉ💦怖いよぉ💦寂しいよぉ💦 お母さんが来たと思って安心して、 私はさらに声にならないほど泣きじゃくった。 覗き込む人影。 うっすらと顔が見えた瞬間。 バシン‼ 強い衝撃で顔が熱くなり、鼻はジンジンして感覚がなくなった。 「こんな夜中にうるせぇぞ‼黙れ‼」 私の顔面を殴ると、そう怒鳴りつけた。 うぎゃあああ~‼ 悲鳴のような泣き声をあげる私。 バシン‼ 今度は衝撃と共に顔の左半分が熱くなって、 キィィィーーーーン⚡ という金属音が聞こえて来た。 「うるせぇ‼おまえがここで寝たいって言ったんだろ‼おまえのせいで目が覚めただろうが‼」 うっすら見えたのは鬼の形相のお父さんだった。 「お…ヒック…父…さんヒックごめんな…ヒック…さい~‼うぎゃあぁああ‼」 「お父さん‼何してるの⁉小夜子‼」 ふたりの声で起きたお母さんが慌てて電気をつけて駆け寄り、 お父さんを止めた。 「小夜子❗大丈夫⁉」 お母さんは私を起こして抱きしめた。 顔面を真っ赤にして悲鳴のような泣き声を上げる私。 鼻からはおびただしい鼻血が噴き出して、布団が真っ赤に染まっていた。 ドックンドックンと脈を打つ顔面。 左の頬は、手形に腫れているのが熱くなって脈を打つ感覚で分かった。 鼻は感覚がないけど温かい。 相変わらず鳴り続ける耳鳴り。 わずかに見えた鬼の形相のお父さん。 私は怖くて痛くて、泣き続けた。 泣きすぎて声は出ず、お母さんにしがみついて震えながらしゃっくりが止まらなかった…。
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