18人が本棚に入れています
本棚に追加
お父さん…。
どうして?
おじいちゃん家に行ったから?
ご飯食べて来たから?
お肉だけ食べに帰って来たから?
私はアクに埋もれた肉の切れ端を、箸でつまんで口へ運んだ。
ゴマダレを舐めてるようだった。
お母さんが、お父さんのおかわりを持って戻って来た。
涙が溢れて来たけど、私はお母さんには心配を掛けたくなくて、必死にこらえた。
少し落ち着いて、
私は箸と器を置いた。
そしてなるべく明るく
「ごちそうさまでした😃」
と言った。
少し驚いた顔をして私を見るお母さんとお父さん。
「もういいのか?肉好きなんじゃなかったのか?」
お父さんが言った…。
私は
「やっぱりお腹いっぱいだった😃」
と、お母さんに向かって言うと、食器を台所へ運んでそのまま子供部屋へ戻った。
「なんや、あいつ?」
リビングから聞こえたお父さんの声。
こらえていた涙が一気に溢れ出した。
なんで?
次から次へこぼれ落ちる涙。
少ししてリビングからは楽しそうな笑い声が聞こえてきた。
私はひとり、子供部屋で声を押し殺して泣いていた。
最初のコメントを投稿しよう!