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 そして普段通りのスランプ。  これはスランプなのか。それとも自分が本能的に絵を描くのを拒否しているのか。それは僕にも分からない。  そんな事を考えていると、ややっこしい作りが彫られている――勿論昔のような安物じゃない―― アトリエのトビラが開いた。 「先生。絵の方はどうですか?」  彼はそう言いながら持ってたビニール傘を折りたたみ、右手から左手へ移した。
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