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どうですか? って。
見て分からないのか?スランプだよ。スランプ。
「まぁボチボチですかねぇ」
僕は座っていた椅子から立ち上がり、彼に向かっていた。
彼は唐突に僕に言った。
「前回の絵も評判が良かったんですよ。何と言っても――」
唐突で対処のしようがなかった。こんな状況で絵の話なんか……。
やめろよ…。
「――先生の絵には光のような――」
やめてくれ……。
「――今回も期待してますよ。先生」
っつ……!
そう言い残すと、その男は去って行った。
絵の事なんか全く分かっていないクセに……。
しかし、自分が話の最中、ヘラヘラと笑っていたのも事実だった。
まだ笑顔の形に引きつった自分の顔を何とか直し、自己嫌悪に陥った。
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