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いびつな心と 冷たい体を持って
どこまで歩いて行けるかと
足を止めたのは 蒼い月の下
ため息混じりに唄ってみた
乾いた風が僕を大人にして
古い目隠しも擦り切れて
初めて瞳に映した世界は
何だか灰色だった
誰かの手を 握るのは幻
僕も灰色の一部になった
振り返ればそこに誰もいなくて
かつての僕は 何色だった?
軋む体と 動かない心を持って
何処まで歩いて行こうかと
足を運んだのは 濡れた十字路
小雨を浴びて呼んでみた
夢と現実が交差する場所で
滲んだ雨を幾つも見た
頬を掠る空虚に紫陽花を
誰かのそんな人になりたかった
砂のように溶け合うは幻
目覚めた世界は灰色だった
時計の針を 折り曲げて
名もない光へ帰りたいだけ
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