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《ぼく》はどこにでもいる没個性な高校生だ。
自分を卑下している訳ではなく、事実としてそうなのである。
この物語は、そんな普通以下の《ぼく》の友達や周囲の人たちの物語であり、決して《ぼく》の物語であることを念頭に置いておいて欲しい。
《ぼく》はあくまで語り部であり、物語の主人公は彼らなのだ。
彼らの話を始める前に、もう少し《ぼく》の話に付き合って欲しい。
ぼくが通う高校は、県内ではまぁそれなりの進学校である。
実際学力が高かったのは昔の話で、今はぼくなんかが入れる程度の学校だ。
それでも勿論全国模試でヒトケタ順位の人が居たりもするので、学力なんてのは結局学校なんて関係のない、その人次第って事で。
…閑話休題。
部活も、幾つかの部は全国区だったりする。
帰宅部のぼくには縁の無い話だけど。
幼・小・中とほぼ変わらないメンバーで、中学卒業まで友達と呼べる様な友達もいなかったぼく。
先生に進められるまま志望して入学出来たこの高校には、同中の子はほとんどいない。
高校生の日々も、毎日ぼんやりと過ごすのだろうと思っていたぼくだけど、何故だかそうはならなかった。
最初にぼくに声をかけて来た子は、随分と少女漫画の様な子だった。
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