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「おはよー!」
「…おはよ。今日もぎりぎりだったね」
「えへへ、寝癖なおんなくて~」
笑いながらぼくの斜め前の席に腰を降ろした女子。
名前を《清水 沙弥》(しみず さや)と言う。
ちなみに寝癖は直りきっていない。(教えない)
彼女は、家が学校に比較的近いせいか(ぼくはバス通)、いつも遅刻ぎりぎりに来る。
しばらく一緒に居て思ったが、どうも時間にルーズらしい。
「今日一時間目なんだっけ?」
「国語。便覧持って来た?」
「!」
「…忘れたんだ?」
「どうしよう~…っ」
「…SHR終わったらすぐ借りに行こう」
「うん、ごめんねっ」
ここで丁度チャイムが鳴り、担任が入って来てSHRが始まった。
沙弥と友達になって数日、気付いたことは時間にルーズなこと以外に、コレだ。
忘れ物が多い。毎日何かしら忘れてくる。
英和辞書だとか、体育館シューズだとか、弁当の箸だとか。
その度に、図書館に借りに行ったり、体育教官室に借りに行ったり、食堂に貰いに行ったりするのに付き合わされた。
別段それは構わない。
構わないのだが、沙弥は歩いていると何もない場所でつまづく。
人にぶつかる。
たまに無機物にもぶつかる。(柱とか)
要するにドジ、だ。
それも絵に描いた様な!
…ベタな少女漫画みたいな!!
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