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第一印象は最悪。
会話をすれば、それは最低に変わった。
更に、僕のファーストキスまで奪ったのだ。
その結果は大嫌いになるはずなのに、嫌いになれない。
だからと言って、好意を持ったわけでもない。
敢えて言うなら、よく分からないと答えるしかないのだ。
どちらにせよ、この男とは今日限りで、二度と会う事もないか。
大体、この男と僕では立場が違いすぎる。
「何を考えている?」
いつの間にか、車は地下駐車場を出て、大通りを走っている。
「別に答える必要はないと思うけど?」
まさか、本人を目の前にして、嫌いになれない理由を探していました。なんて言えるはずもない。
「何を考えていると聞いているんだ」
答えるまで、この追求は続きそう。
仕方ないなぁ~。
「金曜の夜なのだから、本当はデートの1つや2つあったんじゃないかな?って思っただけ」
考えていた事を悟られたくなくて、さっき頭に浮かんだ疑問を口にする。
事実、これだけの容姿の持ち主なのだから、女の人が放っておかないだろうし、黙っていても向こうから寄ってきそう。
「残念ながら、今はそんな相手はいない」
それだって、どこまでが本気か分からない。
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