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「ご馳走さまでした」 父の分のデザートまで貰った僕は、それを食べ終え、きちんと手を合わせて挨拶をする。 「そんなに小さい身体なのに、よく食べたね」 しみじみと呟く父を、僕はおもいっきり睨みつける。 確かに父の横に並べば、身長164㎝しかない僕は、小さいと思う。 だけど、口に出さないで欲しかった…。 母に似て一向に男らしくならない、この女顔や中学を卒業してから成長する気配のない身長。 それらは、僕にとってコンプレックスにしかならない。 「そんな顔しても、可愛いだけだよ」 全く効果なし…。 会計を済ませ、エレベーターに向かう。 電源を入れた父の携帯が、その瞬間を待っていたかのように鳴り出す。 僕に背を向け、部下らしき相手に指示を与える。 その話し方は、今までのように崩れたモノではない。 それどころか、かなり厳しい。 父が忙しいのは分かっているけど、割り切れない部分もある。 もっと色々話たい事もあったけど、半分も話せていない。 明日は土曜日だから、一緒に家に行ってって思ったけど、この様子だと無理だろうなぁ…。 「ごめんね」 謝罪の意味を問うまでもない。 「相変わらず忙しそうだね」
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