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「うるさい、モヤシが」
「アレンだと何回言ったら分かるんですか!」
毎日日課のようになったこの喧嘩、原因である神田は直す気がないようだった。
「カンダめッ」
だが、実はこの二人、両思いなのだった。
「アレンさん、話があるんです。神田とあなたのあだ名について」
突然アレンに声を掛けたのは化学班の少年だった。
「モヤシはですね、神田が唯一食べられる野菜なんですよ。だからモヤシは特別な人って意味なんですよ」
その少年はアレンにそう言った。
「カンダが、唯一食べられる野菜…?あれ、野菜なんですか?」
「…栄養価は低いですが一応野菜です」
少年は困ったように目を伏せて頬をかいた。
「カンダが唯一食べられる…」
「えぇ」
「それは…僕しか食べないってことですよね?」
「?え、えぇ」
少年は訳も分からずにそう答えた。
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