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⚠ホラーです。弱い人はここでUターン⚠
ナオコーラを借りた時、図書館の棚が近いので目につき、なんとなく気になって借りてきた本です。
第14回日本ホラー小説大賞 長編賞受賞作で、著名な審査員のコメントが(帯に)書かれていて、魅かれました。
「この不気味さは、ただごとではない。(林真理子)」
…確かに。
不気味。
普通と「違う」事の不気味さ。不安さ。
何にもまして、不快‼
これほど読んでて不快な本は見た事ありません⤵
けなしてるのではありません。ここまで読む者の精神を不安定にしつつ、読ませる才能は凄いと思う。
内容は…
夏休み、従姉妹の紗央里ちゃんの家に泊まりに来た小学生の少年。
ひどい雨の中、彼と父親を迎えた叔母さんの腕は、血まみれだった…
そして、紗央里ちゃんはいなかった。
洗濯機の下に、亡くなったと知らされたおばあちゃんの埃まみれの指を見つける。
叔母さんが出してくれる食事は、ずっとカップ焼そばだった。
物語が「構成」されてない。
不条理の楽園。
まともな人には、わからない。なんで?なんで? おかしいよ。どうしてこうしないの?何のためにそんな事を?
理解できないものの不気味さ、かなぁ…
少年も変な子だ。でも、なんとなく理解できてしまう所があって、それを認めるのは人として不道徳な気がする。
そんな所もちくちくと突いてくる。
最後まで読んでも、謎は一向に解けない。
ラストの「それ以来、紗央里ちゃんの家には行ってない。」
の一文が、じわじわと怖い。
どうして、「行ってない」のか…
物語が終わったあとも、勝手に想像して怖く…というか、気が遠くなるような。
常識が、普通が、通用しない恐怖と、同時にあるユーモアに、吉村万壱(「クチュクチュバーン」「人間放れ」等)を思い出しました。
とにかく不快なので、おすすめはしません。
スプラッタやグロ系が大丈夫で、ちょっと気が変になっても戻ってくる自信がある方ならいいかと。
この作者の、ホラーでない作品を読んでみたいと思いました。
追記:
読んで1ヶ月位経って、ふと気付いた。
カップ焼きそばは、「焼いて」ないのに焼きそばという所で、この本の柱に繋がるのかも知れない。
本物ではない、でも本物である。
怖ッ😱
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