「夢を与える」

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綿谷りさ23歳の作品。 フランス人の父と日本人の母の間に生まれた、愛らしい健康的な夕子。美貌を買われてモデル→芸能界へ。 皮肉にも、大好きな先輩の不幸が夕子のブレイクを呼ぶ。 殺人的な忙しさの中、両親の不仲や、自分を演じる違和感に、感情が渇いていく夕子。 初めて知った恋に何もかも捧げるが、夕子の人生を、それは「これ以上ない」残酷な形で打ち砕く事に…   以前の2作品と同じく、主な登場人物はどこか心が病んでて痛々しい😢 それでも前は、希望が感じられる幕切れだったけど… 今回はもう、その時点の最低のどん底で終わる。 苦しい😢   夫の心を取り返せない、ステージママとの確執も重い。   読後感が悪いってわけではないけど、なんだかいたたまれない…辛い💧 最後、両親ともそれぞれのやり方で必死に夕子を守ろうとするのが、救いでもあり、痛くもある。わかりあえない寂しさ。   でも前作より凄く大人っぽい文章になりました。   作者が清純そうな容姿だから😅作品もそうかと思ったらかなり違うんだな なんだか透明感のない、ぽったり濃いポスターカラーをぐるぐる混ぜてる感じ🌀 臭いものに蓋をしないから、時々、苦しくなります😵  デビュー作「インストール」と、対をなす作とも。 ヒロインの名前。(朝子→夕子) ネットがヒロインに与える影響。 (朝子は希望のようなものを見い出し、夕子はタレント生命を潰される)   でも夕子は、いつか、幸せに生きられるような気がする。   自分だけの人生を。   これ読んでから、テレビ見てもなんだかいろいろ考えてしまいます😅image=136248525.jpg
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