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道具は決まった。
あとは作業の手順だ。
これを決めるには、やはり天童の日々の行動を詳細に分析する必要がある。
だが、中々隙が見つからない。四六時中ボディガードが貼り付き、彼らの姿が無い時は決まって侵入困難な建物の中、容易に接近出来る環境下には無い。
こうなれば、強引に近付ける場面を作るしかない。
そう考えていた矢先、『マンネ』がネットから思わぬ情報を拾い上げてきた。
「何かの参考になりますか?」
そう言って差し出されたのは『マイニチ芸能』と言う三流雑誌のウェブ版の記事、蒼龍会元幹部のインタビューが掲載されている。
元々、AV女優のグラビアと暴力団関連の記事しか売りの無い雑誌だから、当然の中身だが、私はその内の一文に目が止まった。
『少年時代に亡くされた母上を、会長はしたっておられましてね、毎月のご命日には欠かさず墓参に行かれるんですよ、お墓の掃除や花の入れ替えも、みんなご自身でなされる』
すぐに『マンネ』に命じて天童の母親の命日を調べさせる。
三週間後だった。
この日こそが、天童を狙うチャンスだと私は考えた。
愛していた母親の命日に、ターゲットは冥府に招かれる。
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