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毎度の事だが、本当に騒がしい所だ。
歓楽街のど真ん中、大型レジャービルの地下あるクラブは、常に超満員で、切れ目なくジェット戦闘機かおまけの大音量で、最新のクラブミュージックを垂れ流している。
ここに来れば、空軍基地が図書館並に静かな場所に思える。
その騒音の海の中で、無数の男女が溶け合う様に密着し、曲に合わせ体を激しくくねらせていた。
多分、踊っているのだろう。
広大な店内の一番奥、豪華なソファーに囲われた一画に彼は居た。
左右には金髪と黒髪の若い女、一瞬全裸かと思うほどのドレスを身につけている。
彼は眠たげな瞳で私の姿を認めると、優雅な仕草で片手を振り、
「退け、メス豚共」
と女達を遠ざけた。
女達は不満げな表情で席を立つ、その、空いた場所に彼は私を招き入れる。
華奢な指にはめられたドクロのシルバーリングが鈍く輝く、
彼こそが『マイスター』、様々な殺人道具を生み出す、死の匠だ。
私がその隣に座ると、先ほどの女二人に引けを取らぬ美貌が笑みを浮かべる。
「僕の愛する殺し屋さん、今日の御用は何かな?」
以前、私をそう呼ぶ事をたしなめた事があるが、何度言っても聞かす、諦めた。
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