(仮)

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 真っ白な紙をみると、残虐と分類される心が疼く。  真っ白な紙は、真っ黒で塗り潰したいしナイフで切り刻んでやりたい。  綺麗な顔は、ボコボコに殴って、汚いものは鼻で嘲笑う。  他人を虐げていても、常に付き纏う不安感、虚脱感、罪悪感。  しかし、どれも実行できる訳でもない弱い人間の私は、いつだって心の中では極悪人であり、己の信じた正義を貫いて力で力を捩じ伏せていた。  どんな綺麗事も、今の腐りきった世の中には通用しない。みんな敵、家族も友達も先生も他人も、みんな敵。  だから、無力な私は屈強な力を求める。  渇望して、切望して、入手の仕方がわからないから溜め息一つで何でも諦める。  諦めも肝心、わかってる。  わかってるから、私は逃げる。  さよなら、さよなら世の中。  私は、今日から死ぬ。
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