人魚姫の子孫

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  その問題とは、普通の人なら 絶対にないようなものだった。 雫がもし、普通の人間ならば こんな問題もなく平凡に 暮らしていただろう。 「どうしてあたしなんだろう」 赤く染まる空を見上げて ぼそりと呟いた。 その声には憎しみと悲しみが 込められていて、それは決して 届かない声だった。    
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