死して尚断ち切れぬ鎖はいずこへと

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文章に関してもう二つ。 プロローグ部分の文章に、「特段目立つ」という表現がありました。 特段とは、特別にとか、格別に、という意味でありますが、一般的には使用頻度が低い単語です。 つまり、意味としては間違っていなくても、読者としては違和感を覚えてしまう単語なのです。 小説を書く上で大事なのが、読み手に配慮した書き方ですね。 理解出来ない言葉などは持っての他、違和感を覚えてしまうような世間一般的にはあまり使われない言葉というのも避けたほうが無難です。 細かい指摘となってしまいますが、他にも、「雨の中、青年は整然と立ちすくむ」「いつものように、高校で普遍な学校生活を送っていた」などという表現もありましたが、後者は上記同様「普遍」という単語よりも「代わり映えのしない」といった表現のほうが適切であるかと思えます。 前者にいたっては、青年一人が登場するシーンであるのに「整然」という単語が使われていますが、乱れなく整った状態、を示す言葉であり、隊列や街並みといったものに対して使う言葉でもあります。 状況に適していない表現が多々見られる部分もあるので、文章の一文一文を読み手はどう受け取るのか、という考えを持って書いてみる必要があるかもしれません。
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