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本編行きます。
物語の起こりは、妻の体の異変に気付き始めることとなっていますね。
その時点では、大して気にも留めていない事柄ながら、伏線(予告)として読者に提示してあります。
触れるだけ触れておいて、話の焦点をもう一つのストーリー軸となる「子供」に当てています。
構造を分解すると、「妻の体」と「子供」、この二つの障害が小説の機軸となっています。
子宝に恵まれない夫婦に宿った、初めての小さな命。
しかし、妻を蝕むガンの脅威は、妻と子供、両方の命を奪うかもしれない。
主人公の苦悩は、想像もつかないほどになります。
飲み会の席で思わず泣きわめいてしまうシーンがありますが、読んでいて釣られて泣いてしまいたくなるほど真に迫った心理描写でした。
人前で泣く、という普通に生活していれば行わない行為によって、主人公の苦悩を吐き出させたこのシーンは秀逸だと思いました。
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