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初めての人間だった。俺の意見を真に受けとめ、俺を信じてくれた。母親にすらまた変なことやったのかいと逮捕された前に言われたのに。たった数日テレビでみた無様なガキなのに。
別に拒否する必要はない
この男に少しでも善意のかけらが
見えたから
「…ぉ……ま‥す」
「ん?」
「……お願いします。」
不良仲間達と犯した
前科まで真に受けとめて
くれるのなら
俺を信じてくれるのなら
「助けてください。」
「俺は何もしてないんです。」
「信じてください。」
自分でも不思議なくらいだった。目から伝うものと一緒に、いままで思ったことが口から吐き出された。柳生 昭夫はその様子までも優しい眼差しで見ていた。
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