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「えっなんで?」
なんでって……
「だってもう約束の駅だよ?」
孝介がいつも利用している駅まで一緒に帰るという約束を最初に交わしていたのである。
気付くと二人はその駅までたどり着いていた。
もう駅!?全く気づかなかった!!
「じゃあまた明日ねっ」
「いや、送る。」
だってもっと一緒にいたいから。
「いや、いいよっ」
もうバカにされるのはこりごりだもん。
「危ねぇって!」
こんなかわいい奴一人で帰すなんて無理!!
「大丈夫だよ、いつもここからは一人だもん。」
孝介くんと一緒の方が危ない気が…。
「うるせぇ!なんかあったらどーすんだ!」
頼むからうなずいてくれ…。それとも俺といたくないのか…?
「えー…悪いし…いいよ。」
「おしっ、行くぞっ」
そういうと孝介はぐんぐん歩き始めてしまった。
「えっ?ちょっと、待ってよ!」
必死に抵抗するも、孝介は自転車をおしながら振り返りもせず歩いていった。
つかめない人だな…しょーがないなぁ。
抵抗するのは諦め、急いで孝介の後をついていった。
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