出逢ってしまった2人

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  渋々4人の後をついて歩き コテージに入る。     そこに居たんだ――――― ソウタ……… 今でも名前を口にするだけで 胸が張り裂けそうになる。       第一印象は覚えていない。 私もソウタも 自分から話し出す様な事は しなかったし 簡単な自己紹介をした後は アズサとカオリ、 アズサにぶつかったタモツ、 私に『気が進まない?』と 声を掛けたタカヤ 4人だけで会話をしていた。       4人の会話に 全く入れなくなってしまった ソウタと私は 少しずつ言葉を交わす様になって ソウタは優しい瞳で   『うん。うん。』   と相槌を打ちながら 私の話を聞いていた。     『えぇ~!!??  10歳も年上なのぉ??』     アズサとカオリの声に 私はソウタの顔を見た。   『そうだよ。  3人共29だからね……』   ソウタの言葉に私は   『若く見られるでしょ?』   と投げ掛けた。   『落ち着きがないからね』   そう言ってソウタは笑った。   そして私達が19歳だと言うと   『見られないでしょ?』   ソウタが私に笑いかけた。   『うん。老けてるみたい……』   私が少しいじけた様に言うと   ソウタは   『大人っぽいんだよ』   ゆっくり言い聞かせる様な 落ち着いた雰囲気が 10歳の歳の差を感じさせた。    窓の外はすっかり陽が落ちて 私達は『そろそろ……』と 席を立とうとすると   『また会おうよ』と それぞれ電話番号を交換した。     社交辞令に過ぎない約束。 再会はないだろう。   私とアズサとカオリは 御坂から1時間の場所に住み 一方ソウタ達3人は埼玉県。     会えるハズもないよね………。      image=139460333.jpg
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