初めての電話

3/3
407人が本棚に入れています
本棚に追加
/1004ページ
  それから週に2、3回 ソウタから電話が 掛かって来る様になった。   私が早番の日は 夕飯を食べおわる頃 遅番の時は 家に帰る頃に掛かって来た。   ソウタと話していると 私はフワフワ 空に浮かんでいる様な 気持ちになって 寝てしまった事もあった。   そんな時ソウタは   『ナナカァ…おぉい』   あの甘い声で私の名前を呼んだ。   電話の度 時々沈黙が続くと   『寝てるのかと思った!』   と私をイジめた。   歳が離れていたから 私はソウタに寄り掛かり ソウタは私の 全てを包む様に話してくれるから その包容力に 私は全てを 預けていたのだと思う。   それが恋だとか愛だとか 知らぬまま 気付かぬまま――――。  
/1004ページ

最初のコメントを投稿しよう!