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それから週に2、3回
ソウタから電話が
掛かって来る様になった。
私が早番の日は
夕飯を食べおわる頃
遅番の時は
家に帰る頃に掛かって来た。
ソウタと話していると
私はフワフワ
空に浮かんでいる様な
気持ちになって
寝てしまった事もあった。
そんな時ソウタは
『ナナカァ…おぉい』
あの甘い声で私の名前を呼んだ。
電話の度
時々沈黙が続くと
『寝てるのかと思った!』
と私をイジめた。
歳が離れていたから
私はソウタに寄り掛かり
ソウタは私の
全てを包む様に話してくれるから
その包容力に
私は全てを
預けていたのだと思う。
それが恋だとか愛だとか
知らぬまま
気付かぬまま――――。
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