出逢ってしまった2人

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  出逢いから2日――。 遅番の仕事を22時に終え 携帯を開くと   【着信あり】   『西村です  また電話します』   留守電が入っていた。   ソウタだ…… 時間を確認する。   《16時30分です》   機械的な音声が告げた。    掛け直そうかと思ったけれど こんな時間。 もう寝てるかも知れない。 明日にしよう………。   誰も居ない1人の部屋。   明日も仕事。       私はエステサロンの 施術スタッフをしていた。 中学を出て高校には進まず 今の職場でバイトをしながら 2年間通信教育で 美容専門の勉強を学んだ。   ディプロマを取得し 正社員になり3年目。 仕事が楽しくて仕方なかった。     正直なところ その時の私は恋愛もせず ソウタの事も 意識していなかった。       軽い出逢いは 軽い付き合いにしかならない――   そう思って居たんだ。     次の日 ソウタから電話があった事すら 忘れて居た。
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