ビギナー

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自分のおでこを撫でてたらあの時の記憶が甦ってきた。 (そうだ!あの時、携帯が鳴って落としてバカ犬避けたんだ。 そっか…俺、転落したのか…  テレビでたまにやる《奇跡の生還》とかだったらみんな生きてるのに俺は死んだのか……) 肌では感じないが、この四角い空間の中ですすり泣きだけが耳に入ってきてると 《夢》って希望も無くなってきた (はぁぁ 俺、うらめしやぁぁぁ とか言うのかな) (きっと美江は手作りの料理とケーキを用意して待っててくれてたんだろうな… ごめんな 美江……) 俺は美江の肩に手を置くようにして謝った これ以上、この空間には居たくない。 俺は皆に背中を向け部屋を後にした もちろんドアなど開ける必要はなかった……
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