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「輝、宿題やった?」
あたしはすがる目をして輝を見つめた。
輝は何か言いたさげにこっちを見た。
「美亜、宿題は自分でやるものだぞ。」
「一問だけ分かんなくて。」
「どれ。」
輝は前の席に後ろ向きに座り込んだ。
そして、あたしの宿題ノートを見る。
「ここはな………。」
輝の説明が始まる。
あたしはそれを聞きながら、輝に見とれていた。
「聞いてるのか?」
と言う質問の問い掛けに
「聞いてる、聞いてる-。」
と答えるので精一杯だった。
遠くで、塔子と雅史が微笑ましそうにこっちを見ている。
あのふたり、好き合ってるんだから、付き合えばいいのに。
何て思ってたら、輝の解説が終わった。
「分かったか?」
「勿論!!」
実は、聞いていないようで、ちゃんと聞いていたの。
これで宿題はバッチリ。
明日の提出までには間に合う。
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