幸せな時間

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「ねぇ、輝。」 「ん?」 首を傾げて問い返す。 「塔子と雅史の事、何とかしたくない?」 輝はニヤリと笑った。 「そうだな。 何か策でも有るのか?」 「それは輝が考えるんでしょぉ。」 「ぇ? 何でだよ。」 「輝、頭良いしぃ。」 猫なで声であたしが言うと、輝は照れて、でも、その気になった。 「仕方ないな。」 ふぅと溜め息を吐いて、案を練る。 「放課後に空き教室にふたりを呼び出して…。」 「呼び出して?」 あたしが後に続く。 「そうだな、呼び出し方は手紙にでもしておくか。」 「誰が書くの?」 「お前。」 ピッと指差す。 「やっぱりね。」 そうだと思った。 輝がそんな面倒な事する筈が無いもの。 そして、雑務はあたしの役目だし。 字体変えなきゃ。 そういう問題じゃない?
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