幸せな時間

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「あいつら、ふたりきりになった事無いから、そのシチュエーションを作る。」 「ふむ。」 あたしはノートにメモする。 「そしたらどっちかが告るだろ。」 匙(サジ)を投げたように言った。 そうか、あたしはそうなるように、手紙を書けば良いんだね。  輝の作戦を、ノートに書く。 そして、ふたり宛の手紙を書く。 「ねぇ。」 「ん?」 「その場面、覗いちゃ駄目かな?」 「勿論、覗くぞ。」 やっぱり。 こういう事、好きだもんね、輝。  よし、作戦は今日の放課後に決行!! 上手く行きますように!! 神頼みなんてしてみた。 神様なんて、信じていないのに。 「出来た。」 手紙が出来た。 それを机の中にそっと入れて、ただ黙って放課後を待った。
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