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「やめてぇ!」
伸びてきた手を振り払うと、その手は戸惑うようにビクッ、と引っ込んだ。
ふっ、と目が合う。
目が……合う?
いつもは普通のはずなのに、不思議な感じがした。
「落ち着いて、僕は正常です」
涙をボロボロと流し、唖然としている私を、見慣れていたはずの男性が肩をぐっ、と押さえている。
「高島……さん?」
「そうだよ。僕は目の前で死んだりしない」
「えっ……」
「さっき、目の前で人が死んだ。この村の噂で聞いたことがあるだろう? 振り返ってはいけない廊下の、噂」
「聞いたことは……あるけど。入らなければ、大丈夫じゃないの?」
「デス・スクール。今、この村の中で、同じことが起きている。なぜだかは……わからないけど、それは確かなんだ」
真剣な目。
いや、でもすぐには信じがたいことだ。
もしかしたら、また目の前で、この人も死ぬかもしれない。
「証拠を、見せてよ」
「証拠……君はもしかして、警察署に行こうとしていたんじゃないか?」
「そうだ……けど?」
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