2.『セカンドライフ』

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      「今、行ってきたんだ」 「行ってきた……それで?」 「誰もいなかった。というか、死体しかなかった……」 「嘘っ!」  警察署までは、もう少しだったのに。  目的地まで行けば安全だと思っていたのに。  取り乱し、走り出す。  高島さんが話したことが、真実であろうとなかろうと、この目で見なくては信じられない。 「待って! 行ったらだめだ!」  後ろで叫ぶ声が聞こえる。  高島さんが止めようとしているのだろうが、もう、前しか見えない。  あと、少し。  あと、少し。  外には誰もいなかった。  パトカーも、自転車も、バイクもいつものように止まっている。  違うのは、どんよりと暗い雰囲気。  そして、人がいない。  私は、追いかけられているように、ガラス張りのドアを開け、誰も入って来れないよう、そこにもたれかけた。  薄暗い。  それに、髪の毛が焦げたような臭い。 「すいません! すいません! 誰か居ませんか?」  必死に叫ぶ。 「土田先生! だめだ!」      
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