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私達は見晴らしの良い公園で、しばしの休憩をした。
『見えない何か』の警戒は怠らず、キョロキョロしながら、アンパンをかじっている。
水は大量に持ってきた。
食料も、パンや、スナック菓子など軽くて調理しなくても良いものばかりをチョイスしたつもりだ。
あと、こっそり隠すようにポケットに突っ込んでいた携帯用トイレ。
恥ずかしくて言えなかったが、もちろんこれも『一人でいる時間を少なくするためなので仕方がない。
「よし、行けるか?」
覚悟を決め、立ち上がる。
ぐずぐずしている暇はない。助けを呼ばないことには、じっとしている意味はないし、何よりも危険だ。
「うん、行こう。学校へ」
私達は、スーパーから持ってきた買い物カートを押しながら学校への道を歩き出す。
生きるために。
心の中で何度も反芻していた。
きっと竹下君もそうだろう。決して気温は高くもないのに、さっきから何回も額の汗を拭っている。
「着いた……」
声を合わせたように、二人同時に呟いた。
目の前にそびえ立つ巨大な校舎。
そして、それを見つめるように並び立つ、デス・スクール。
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