3.『連鎖』

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       校門は、人がギリギリ出れるほどの隙間だが、開いていた。  きっと誰かが逃げ出したのだろう。 「入れるか?」  先に入った竹下君が向こう側から手を伸す。  私は身体を横にすれば簡単に入れたが、食料が大量に詰め込まれたカートが通らない。 「しょうがない。開けるか……」  竹下君は力を込め、精一杯に校門を引く。 「くそっ! 開かねえ」 「私も手伝うよ」 「じゃあ、せーのでいくぞ。せーの!」  ガッ、ガガガ……。 「開いたか?」 「うん、大丈夫みたい」 「じゃあ、カート入れようぜ」 「うん」  外に置き去りになっていたカートを校庭に引っ張り込んだ。  必死で気付かなかったが、校門の錆で手が赤茶色に染まっている。 「入れたれた……けど、どうする?」  左手にそびえるデス・スクールを見てしまわないよう、竹下君は新校舎をじっと見つめながらそう言った。 「うん。とりあえず……保健室かな? あの人の連絡先、あるかもしれないし」 「よし。じゃあ、さっさと見つけて、こんなところ早く立ち去ろうぜ」      
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