4.『影』

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      「そうだね、なんだか嫌な雰囲気だし……」  二人とも同じ気持ちだろう。  確かな悪寒。  本当なら、こんな所は死んでも、いや、生き延びるためではないかぎり来たくはなかった。 「保健室……だな」  昇降口からではなく、ちょっと開いていた窓から学校に進入する。 「誰も……いないよな」  私が持ってきたビニール袋に食料と水を詰めていると、竹下君は先に入り、周りをキョロキョロしてから、私の手を引いてくれた。 「大丈夫そうだ。それより、誰もいない学校って何か嫌な雰囲気だよな」 「そうだね。早く探そう」  そう言いながら、保健室の机の中を物色し始める。  誰もいないので、周りを気にせずガサガサと散らかしながら。 「竹下君は、そっち探して」  ぼーっとしている竹下君を一喝し、書類だらけの引き出しを漁った。 「なぁ……」 「何? 早く探してよ」 「なぁってば!」 「何!?」  なかなか見つからない探し物にイライラしていたので、いつまでも動きださない竹下君を、キッ、と睨む。      
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