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僕は…
囁く様な静かな声に誘われる様に、無垢な瞳を現実に晒した。
「おはよう。
愛しのアリス。」
瞳に映されたのは…
白髪の青年。
赤い瞳が白の隙間から僕を見下ろす。
優しい笑みと共に。
「………。」
「愛しのアリス。
身体の具合は、どうかな?」
僕の事を「アリス」と呼ぶ彼。
「アリス」とは…
僕の事なんだろうと思う。
「綺麗だよ、アリス。」
彼は、優しい笑顔のまま…
僕の頬に唇を落とす。
僕には、この行動の意味も、言葉の意味さえも理解出来ない。
「アリス…
おいで…。
君にプレゼントがある。」
そっと右手を掴まれ、誘導される様に、ただ彼の後ろ姿を追った。
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