召喚

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中央に大きな桃色の花をつけた木が一本、優雅に咲き誇っていた。 そしてその一本を取り囲むように、同じ木々が満開の花をはらはらと散らせている。 「これは……庭園でみた……桜!?」 トワは呆然と桜を見つめた。 なんて綺麗なんだろう。 儚く淡い桃色の花から目がはなせなくなる。 何だろう。 このこみ上げてくる気持ちは。 胸がとても熱くなり、トワは無意識に胸を手で押さえていた。 中央の桜は周りの桜と比べ一回りも二回りも大きく堂々とたたずんでいる。 相変わらず桜の花弁はヒラヒラと優雅に舞い、トワの目の前をかすめていく様は本当に美しい。 「でも……なんでこの花が!? もう……咲くことはないって茜は言ってたのに……しかも、こんなにたくさん……」 すると突然風がまた強くなり木々の様子が一変した。 さっきまで心地よかった葉と葉のこすれる音が、だんだんと狂ったようにざわめきたつ。image=336943957.jpg
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