~白~

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トキの後ろに隠れていたカリンの肩の上に、誰かの手が置いてあった。 「……っ!!」 「ひっ……!!」 嫌な気配を感じて振り返ったヨットが後ろに指をさす。 そこには真っ黒なマントを被り、醜く歪んだ顔で無理やり笑顔を作る老婆が立っていた。 「……オジョウチャン……オイシイ……アップルパイハ……イカガ……?」 老婆は手に悪臭の漂うグチャグチャの塊を差し出す。 「い、いやぁぁぁ――!!」 「うわぁぁぁぁ――!!」 「ギャアァァァァ――!!」 マダラン達は恐怖のあまり絶叫し、なりふり構わず泣き叫びながら走り出した。 「魔女だぁぁぁ――!」 「死に……たくない――!」 「いやぁぁぁ――!!」 「お、おいっ!」 マダラン達は叫びながら、森の出口めがけて一目散に走っていった。
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