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トワは思わず身を堅くした。
「だれ!?」
三人は、トワの寝ているベットに近づいてきた。
顔にしわが刻まれた怖そうな女の後ろに、顔がそっくりな二人の女が並んでいる。
三人とも頭の上で髪を束ね、全身真っ黒なメイド服を着ていた。
小柄だが分厚いブーツがなんとも印象的だ。
「はじめまして。トワ様ですね?私たちは、本日からトワ様の身の回りの世話をさせていただくことになりました。暁と申します。後ろにいるのが、潤と霞にございます」
三人の中でも、一番年齢のいっている女が言った。
見た目ほど年ではないかもしれないが、きつく結ばれた口元と眉間のしわから彼女の厳格さを感じる。
潤と紹介された女は、無表情にぺこりとトワに頭を下げ、霞と紹介された女はにっこりと微笑んだ。
一番霞が優しそうだ。
「この国はマルスティア王国。あなたは喚ばれました。なのであなたには今から、ある儀式を行っていただきます」
暁がそういうと、潤と霞はスッと部屋から出て行った。
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