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「従っていただきます」
トワは痛みも気にせず、再び体を動かそうと力を入れた。
「失礼ながら、その準備をするに当たって支障が出ぬようにと、自由を奪わさせていただきました」
暁は相変わらずの無表情でトワを見つめる。
さすがに危険を感じたトワは、渾身の力をふりしぼって暁の服を掴むと睨みつけた。
「私をもとの世界へ帰して」
しかし暁は何も答えずトワから目をそらす。
そうしているうちに、潤が大きなかごを抱えて戻ってきた。
「暁さま、一通り整いました」
潤が暁にそう言うと、暁は頷き横になっているトワの頭の上に手をかざした。
「やめて! 一体何する気!?」
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