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しかし暁は質問には答えず、トワの頭の上に手をかざしたまま何かをつぶやき始めた。
何を言っているのか全く聞き取れないが、何かされそうになっているのは確かだろう。
トワは怖くなり、必死で体を動かそうと抵抗する。
「やだ! やめて!!」
トワの必死の抵抗も虚しく、だんだん体を動かすのがだるくなり、瞼(マブタ)が重くなっていく。
ついにトワは激しい睡魔に対抗できず、静かに眠りに落ちた。
「やっとの思いで喚び出したというのに……驚くほど元気な子が召還されてしまいましたね。この国はどうなってしまうのかしら」
トワの寝顔をみながら暁は、不安げな表情で呟いた。
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