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『では、誓いの口づけを!』
トワが立ち止まると司会者らしき男がまた声を張り上げた。
目の前の王子がトワに一歩近寄った。
そしてそっと目の前のショールに手をかける。
鳴り止まない心臓の音。
体中の筋肉が収縮する。
王子はゆっくりとショールをあげはじめる。
トワは必死で震える足を抑えながら立っていた。
少しでも気を抜けば崩れてしまう。
王子の足から上が見え始める。
トワと同じ白地に赤のビーズが付いた衣装が腰にグラデーションのように巻き付けてある。
震えのせいか顎がカタカタと音をたてる。
止めようにもとまらない。
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