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外に出た二人は校舎沿いの坂道を真っ直ぐに下り、学校の裏手にある庭園へと向かった。
「それで、茜が気になってるのはどんな民謡なの? 茜が興味示すなんてよっぽど変な歌なんだね」
「それはどういう意味でしょう」
トワが笑いながら言うと茜にじろりと睨まれた。
「えっ!? いや、そのまんまの意味だよ! 他意はないって!」
焦ってトワが言うと茜は微笑みながら冗談ですと呟く。
「特に変な歌……というわけではなく本当にただ単に気になっただけなんです」
坂を下り終えると一面に広がる色とりどりの花々が姿をあらわした。
この庭園は季節にあわせて様々な形や色の花々が植えられている。
どの花も美しく咲き乱れ、一歩進む度に花一つ一つの良い香りが鼻を刺激する。
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