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薄暗く長い廊下。
唯一の光源は壁から均等に設置されているキャンドルの炎の灯りだけであり、
周囲はどこか古い洋館を思わせる不気味な印象があった。
そんな暗く長い廊下をコツコツと足音をそこらじゅうに反響させながら、
二人は兵士から言われた天使サージェスのいる『黄泉の間』に向かった。
「事実だ」
ミディアスはイングを横目で見つめながら、先程の問に対しての答えを出した。
イングは少し眉間にシワを寄せ、表情一つ変えようとしない彼の顔をみる。
「なぜです?陛下から直接そのようなことを頼んでくるなど、そうあることではないのですよ?」
「理由は簡単だ。陛下が私に頼んだ特別戦闘部隊とは単なる国同士の見栄の張り合いに使う道具でしかなかったから」
「言っている意味が……分からないのですが……」
ミディアスはニヤリと、今度は嫌な笑みを浮かべ彼を横目で睨み付けた。
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