序章~天使の預言~

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男は椅子に座り、本の表紙をただ眺めるばかりである。 「どう思う」 眼鏡の手入れをしながら男は青年に鋭い視線を送る。 青年は自分が何を問われているのか分からず、少し瞳を左右に動かしたかと思うと、慎重に言葉を選びながら男に対し発言をした。 「……と、言いますと?」 「お前はどう思う。1000年以上前に書かれた書物によれば、 反逆神であるダクラ・ドゥラを封印した後、他の3つの神は眠りに就く際、予言を詠んでいる ~二つの星が逆転せし時、預言の天使は舞い降り記憶の欠片は再び蘇るだろう~ と。実際、この予言の通り22年前、このクリアル・ラグナの街に天使サージェスが現れ、 今もこの城の中で保護されている」 「はい」 目を閉じ男の言うことを理解しながら青年は相槌を打つ。
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