551人が本棚に入れています
本棚に追加
「なるほど……」
青年は少し頭を下げ、答えを探そうとする。
「~記憶の欠片は再び蘇るだろう~という部分も、まだ調べている途中でな」
「……」
青年には今の言葉は届かなかったようで、じっと下を向いたまま動かない。
それを見て男はわざと大きな咳払いをし、それでやっと気が付いた。
「……すまんな。難しい質問をしてしまったようだ」
真剣に考え込む青年を見て男はニヤリと笑みを浮かべながら、立ち上がり本を棚に戻す。
「大佐は予言が間違っている……そう、お考えなのですか?」
「いや、そうだ。とは言えないだろう。私の訳し方が間違っているのかもしれない。
……それに、まぁ何も起こらない方が平和で良いだろう。
ただ、お前の意見が聞いてみたくなってな。しかし……やはり質問が悪かったようだ。
すまないな、こんな夜遅くに呼び付けてしまって。退がって良いぞ」
最初のコメントを投稿しよう!