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「いえ私こそ期待に沿えませんで……失礼します」
軽く敬礼をし青年は部屋を出ようと扉のノブに左手を伸ばす。
しかし、その手はピタリと止まり何を思ったのか、青年は再び振り返り、大佐と呼ばれた男の顔を見た。
「なんだ?」
「……私も一つ質問があるのですが、よろしいでしょうか」
男はコクリと頷き、椅子に座り直して手を組んだ。
「大佐は先日、陛下から直々に今度、新しく結成されることとなった特別戦闘部隊の隊長に任命されたが、
それを辞退なさったという噂が城の者達の中で流れております。これは真実なのでしょうか」
彼が質問をし、男が口を開きかけたその時、
部屋の外から何やら慌ただしい足音が聞こえ、誰かが扉をノックする音が聞こえた。
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